チラシ、ビラ、フライヤー、DM、リーフレット、パンフレットの違いを解説!

販促物を作るとき、「チラシ」や「フライヤー」など、いろいろな呼び方があって迷うことはありませんか?私たちも仕事でお客様から「フライヤーを作ってほしい」と頼まれることがあります。そのときお客様は、新聞に入っているような「チラシ」よりも少し厚めの紙で、お店に置いてあるようなものをイメージしていることが多いと感じます。
実は、販促物にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴や効果的な使い方が違います。これらの違いを知ることは、予算や時間といった限られた中で、最も効果的な宣伝をするためにとても大切です。
今回は、お店の宣伝などでよく使われる紙の販促物、チラシ、ビラ、フライヤー、DM(ダイレクトメール)、リーフレット、パンフレットについて、それぞれの違いと、どう使えば効果的なのかを詳しく説明します。
販促物の基本を知ろう:それぞれの意味と由来
まずは、それぞれの販促物がどんなもので、どこからその名前が来ているのかを見ていきましょう。名前の由来を知ると、今の使われ方やちょっとしたニュアンスの違いがもっとよくわかります。
チラシ
チラシは、たくさんの人に情報、特に広告を伝えるために使われる、1枚の紙に印刷されたものです。名前は日本語の「散らす」から来ていて、「広くばらまく」「あちこちに配る」という意味があります。安くて薄い紙(コピー用紙くらい)がよく使われるのは、たくさん印刷して配るお金を抑えるためです。これによって、新聞に入れ込んだり、ポストに入れたりして、広い範囲の不特定多数の人に情報を届けられます。
ビラ
ビラは、チラシとはっきりとした区別はないと言われますが、人々に強く訴えかける内容や、壁などに貼って使うことが多い印刷物です。名前は日本語の「紙片(ひら)」や、薄い紙が風にひらひらする様子を表す「びらびら」という言葉から来ていると言われています。特に昔から、寄席(お笑いの劇場)の番組宣伝に使われたり、政治的な宣伝や人目につく場所に貼る印刷物として使われるのが一般的です。薄い紙に1色か2色で印刷される傾向があります。
フライヤー
フライヤーはチラシと同じような意味で使われることがありますが、デザインにこだわって作られることが多い印刷物です。名前は英語の「flier」または「flyer」(空を飛ぶ人)から来ていて、昔、戦争中に飛行機から広告をばらまいていたことに由来すると言われています。今は空から配ることはありませんが、ライブやイベントで手渡ししたり、ポストに入れたり、お店に置いたりして、特定の人に手に取ってもらうことを目指すことが多いです。チラシよりも厚めの紙に印刷されることが多く、小さいものはハガキくらい、大きいものではA4サイズが一般的です。
DM(ダイレクトメール)
DM(ダイレクトメール)は、会社が個人宛に送るハガキや封筒などの印刷物、またはEメールのことです。商品やサービスを知ってもらうことを目的とし、資料請求などで一度連絡を取ったことがあるお客様に送られるため、高い効果が期待できる宣伝方法とされています。DMには大きく分けて「郵送DM(ハガキ、チラシ、カタログなど)」「EメールDM」「FAXDM」の3種類があります。DMのポイントは、お客様と会社が「直接」かつ「個人的に」コミュニケーションを取るための「手段」であることです。
リーフレット
リーフレットは、1枚の紙を折って、冊子のような形にした宣伝用の印刷物です。形から「ミニパンフレット」や「折りパンフレット」と呼ばれることもあります。名前は英語の「leaf(葉っぱ)」に「-let(小さい)」を合わせた「leaflet」(小さい葉っぱ)から来ています。リーフレットの最大の特徴である「1枚の紙を折る」という作り方は、情報を整理して見やすくしたり、物語のように見せたり、持ち運びやすくしたり、そして作る費用を抑えるといったたくさんのメリットを生みます。二つ折り、三つ折り、蛇腹折りなどいろいろな折り方があり、これによって「複数のページ」を作ることができます。
パンフレット
パンフレットは、何枚かの紙をホチキスなどで簡単に留めて冊子にした印刷物です。ユネスコという団体は「表紙を除いて5ページから48ページまでのもの」と決めていて、49ページ以上は「本」になります。名前は12世紀の恋愛詩「Pamphilus, seu de Amore」が広く出回ったことに由来するとされています。パンフレットの名前の由来が「広く出回った薄い本」にあることは、現代で「総合的でたくさんの情報」を「長く残せるように」提供するという役割につながっています。何枚かの紙を綴じることで、たくさんの情報や様々な情報を載せることができ、デザインやレイアウトを自由に決められるのが特徴です。
販促物の細かい違い:特徴、使い方、デザイン、配り方
販促物 | 主な特徴 | 主な使い方 | 情報量 | 費用対効果 |
---|---|---|---|---|
チラシ | 1枚、薄い、広く配る | 広く知ってもらう、短い期間の告知 | 少ない | 大量に配ることで費用を抑えられる |
ビラ | 1枚、薄い、貼って使う | 特定の場所に貼る、強く訴えかける | 少ない | 貼ったり手渡しで費用を調整できる |
フライヤー | 1枚、厚い、デザイン重視 | 特定の人に知ってもらう、イベント告知 | 中くらい | デザインで価値が高まる |
DM | 個人宛、郵送/Eメール/FAX | 以前連絡したお客様への再アプローチ、効果的な宣伝 | 色々 | 返事が来る確率が高い |
リーフレット | 1枚折り、持ち運びやすい | 役立つ情報、コンパクトな案内 | 少ないけど整理できる | 短期間・安く作れる |
パンフレット | 何ページか綴じる、詳しい情報 | 総合的な案内、ブランドイメージ作り | 多い | 詳しい情報を伝えて価値が高い |
販促物選びのコツ:目的とターゲットに合わせて使い分けよう
最も効果的な販促物を選ぶには、次のポイントを考えるのがおすすめです。
- 目的をはっきりさせる: 何のために宣伝するのか?広く知ってもらいたいのか、お客様を呼びたいのか、買ってもらいたいのか、ブランドイメージを上げたいのか、お客様を育てたいのか、最終的な目的を明確にしましょう。
- ターゲットを決める: 誰に情報を届けたいのか?その人の年齢、どんな行動をするか、どうやって情報を集めているかなどを詳しく考えましょう。
- 情報量を決める: どれくらいの情報を、どれくらい詳しく伝えたいのか?1枚で済むのか、何ページも必要か、折って整理した方がいいのかを考えましょう。
- 配り方を決める: どうやって情報を届けるのが一番効果的か?(新聞に入れる、ポストに入れる、手渡し、お店に置く、郵送、Eメールで送るなど)
- 予算と期間を考える: 作るのにかかる費用と時間、そして情報の更新頻度を考え、一番効率的なものを選びましょう。
目的別の活用例
広く知ってもらう、たくさんの人に知らせる:
- チラシ: たくさんの人に情報を「散らして」届けることで、広い範囲に知ってもらうのに優れています。新聞に入れ込んだり、ポストに入れたりすることで、地域の人々に効率よく情報を届けられます。スーパーや飲食店の特売セール、不動産屋の物件情報などにぴったりです。
- フライヤー: イベント会場やお店で手渡ししたり、置いておいたりすることで、特定の場所での知名度を上げたり、デザインで目を引くことで興味を持ってもらったりします。飲食店の新しいメニューの告知や、イベント・プロモーションの告知に活用されます。
お客様を呼ぶ、買ってもらう:
- DM: 以前からのお客様や、興味を持ってくれそうなお客様に直接アプローチできるため、新商品やキャンペーン、割引情報などを効果的に伝え、お店に来てもらったり、買ってもらったりする行動を促します。高い確率で開いてもらえ、返事が期待できます。通信教育、化粧品、金融・保険、保険、不動産などの高額な商品や、美容院、エステ、アパレルなどお客様との関係が大切な業界で活用されます。
- リーフレット: 特定の商品やサービスのポイントをコンパクトにまとめ、持ち運びやすいため、イベント会場やお店で気軽に持って帰ってもらい、後でじっくり考えてもらうことで、買いたい気持ちを高めます。商品・サービス紹介や観光地・施設の案内、病院の治療内容紹介などに適しています。
詳しい情報を伝える、ブランドイメージを作る:
- パンフレット: 何ページにもわたって詳しい情報や物語を載せられるため、会社の考え方、事業内容、商品の機能や良いところなどを深く理解してもらい、ブランドイメージを作るのに適しています。会社案内、学校案内、採用パンフレット、高額商品(車、マンション)の説明などに最適です。
- リーフレット: パンフレットほどではありませんが、折ることで情報を整理し、見た目にも分かりやすくすることで、ある程度の詳しい情報を効果的に伝えられます。特定のサービスやメニューの紹介に適しています。
デジタルとの連携も大切
今の宣伝では、紙の販促物とインターネットなどのデジタルなものを組み合わせる、いわゆるクロスメディア戦略がとても大切です。
例えば、チラシやリーフレットにQRコードを載せて、会社のウェブサイトや採用サイト、オンラインストアに誘導することで、紙では伝えきれない詳しい情報を見てもらったり、最新情報を更新したりできます。これによって、配る費用を抑えながら情報を広げ、お客様に行動を促すことができます。
紙の販促物が持つ「手元に残る」「信頼できる」といったアナログの良いところと、デジタルが持つ「すぐに情報が見られる」「情報の更新が簡単」「お客様とやり取りできる」といったデジタルの良いところを組み合わせることで、お客様の体験を良くし、より効果的な宣伝活動ができるようになります。
販促物を選ぶことは、単に印刷物を選ぶだけではなく、お客様とのコミュニケーション全体をデザインする大切な戦略です。お客様の目的とターゲットにぴったりの販促物を提案し、効果的なデザインと印刷で、ビジネスの成功をサポートします。どうぞお気軽にご相談ください。
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