自分でデザインしようと考える方に〜チラシデザインのコツをご紹介〜

最近は、デザインソフトやアプリの進化、そしてAIの発展のおかげで、誰でも気軽に販促物のデザインができるようになりました。
魅力的なテンプレートを見つけても、いざ自分の文章や写真を当てはめてみると、「あれ?思ったのと違う…」と感じることはありませんか?
今回は、そんな時に役立つ、ちょっとした工夫でチラシが劇的に良くなるデザインのコツをご紹介します。
1. 「誰に何を伝えたい?」から始めるチラシ作り
早速作り始める前に、まずは「誰に伝えたいのか(ターゲット)」、そして「何を目的とするのか」をはっきりさせましょう。
手に取る人を想像することで、チラシ全体のイメージや、使う色、雰囲気、フォントの種類、文字の大きさなどがなんとなく見えてくるのではないでしょうか。
次に大切なのが「レイアウト」、つまり情報の配置です。
人がチラシを見る時の目の動きに合わせて、伝えたい大事な情報を配置することで、メッセージがスムーズに伝わるようになります。
- Z型: 横書きのチラシで一番よく見られる形です。左上から右へ、そして左下、右下へと「Z」の字のように目が動きます。写真が多いチラシにおすすめです。一番伝えたいことは左上に、問い合わせ先などの「行動してほしいこと」は右下に置くと効果的です。
- N型: 和風のデザインや縦書きのチラシによく合います。右上から右下へ、次に左上、左下へと「N」の字のように目が動きます。
- F型: 文字がたくさんあるチラシやウェブサイトでよく見られます。左上から右へ、次に左端に下がってまた右へ、と「F」の字のように目が動きます。大事な情報は左側に置くと良いでしょう。
チラシの情報には「優先順位」をつけます。
一番大事な情報が「一番目立つ」ようにデザインします。情報がごちゃごちゃしていると、読むのが面倒になってしまうので…。
2. 目を引くデザインの「見せ方」
2.1. 読ませるキャッチコピーと文字の魔法
チラシの中で一番最初に目に飛び込んでくるのが「キャッチコピー」です。
ここが魅力的だと、そのチラシを読んでもらえるかが決まります。
チラシの一番上や左上、真ん中など、目立つ場所に思い切って大きく置くと良いでしょう。
フォント(書体)の選び方も大切です。チラシの本文ではゴシック体、もしくは明朝体が使われることが多いですが、フォントで悩むのなら、この2つで十分。使えば使うほど優秀なフォントだと感じてくるはずです。
- ゴシック体: シンプルで読みやすく、カジュアルで元気な印象を与えます。見出しやキャッチコピーにもおすすめです。
- 明朝体: 繊細で上品、知的で信頼感のある印象を与えます。本文にも使えますが、小さすぎると読みにくくなることもあります。
タイトルや見出しに特徴的なデザインフォントを使うのも効果的ですが、チラシ全体でフォントの数は2〜3種類に絞るのがおすすめです。
文章の行と行の間(行間)や、文字と文字の間(字間)も、読みやすさに大きく影響します。
詰まりすぎると読みにくく、開きすぎるとバラバラに見えてしまいます。適切な行間は、文字の大きさの約0.7〜1.5倍くらいが目安です。
日本語のチラシでは、漢字・ひらがな・カタカナのバランスも重要です。
一般的には「漢字2:ひらがな7:カタカナ1」の割合が読みやすいと言われています。
漢字が多すぎると難しく見え、ひらがなばかりだと幼い印象になります。
2.2. 色のチカラ
色には、人の気持ちや行動に大きな影響を与える力があります。
- 赤、オレンジ、黄色(暖色系): 元気が出る、情熱的、食欲が増す、といったイメージがあります。
飲食店やイベントのチラシにぴったりです。 - 青、緑、紫(寒色系): 落ち着き、信頼感、清潔感、といったイメージを与えます。
病院やIT企業のチラシによく使われます。 - 白、黒、グレー、茶色(中立色): 落ち着いた、上品な、自然な、といった印象を与えます。
美容室やアパレル関係のチラシにおすすめです。
上で紹介した塾のチラシも業種的には青が多いかと思います。差別化を図るために変わった色を使うこともありますが、しっかりしたコンセプトがないと「なんか違うな…」になり兼ねません。
チラシの色は、「70:25:5の法則」で考えるとバランスが良くなります。
背景の色を70%、デザインのメインになる色を25%、特に目立たせたい部分の色を5%になるよう意識します。
また、文字と背景の色の差(コントラスト)も大切です。色が似ていると文字が読みにくくなってしまいます。
目立たせたいところは、はっきりと違う色を使うと良いでしょう。
おしゃれなチラシだと、写真に文字を載せたり、コントラスト比が付けづらい場合も多いですが、雰囲気は確保しつつ、まずは伝えたいことを「伝える」ことが大切です。
2.3. 写真やイラストで魅せる
チラシで一番最初に目が行くのは、やっぱり写真やイラストです。
写真の選び方はとても重要!一番伝えたい情報に関わる写真は、大きく配置すると良いでしょう。
上のZ型、F型、N型で見せた3パターンのチラシを見ると、ぱっと見写真が大きい真ん中のデザインが目に入ると思います。イメージの力はとても大きいです。
【注意!】 インターネットで見つけた写真やイラストを勝手に使うのはNGです。
著作権や肖像権を必ず確認しましょう。
フリー素材を使う場合も、利用規約をよく読んで、商用利用が可能か、クレジット表記が必要かなどを確認してください。
2.4. 「余白」を味方につける
文字や写真がぎっしり詰まったチラシ、見るだけで疲れてしまいませんか?「余白」は、文字や写真の周りの「空いているスペース」のことです。この余白があることで、情報が整理されて見やすくなり、読む人が疲れません。
余白は、チラシ全体をきれいに見せ、プロっぽい印象を与える効果もあります。ただの空白ではなく、デザインの大事な一部です。
3. 情報の「まとまり」でわかりやすく。グルーピング
チラシの情報を分かりやすくするには、「関連する情報をまとめて見せる」ことが大切です。これを「グルーピング」と言います。
人はバラバラの情報よりも、まとまっている情報の方が自然と理解しやすいからです。
- 近いものは仲間: 近くにある情報同士は、グループとして認識されやすいです。例えば、お給料や勤務時間など、関連する情報は近くにまとめて書きましょう。
- 似ているものは仲間: 色や形、大きさ、フォントなどが同じものは、仲間として認識されやすいです。同じ種類の情報には同じデザインの要素(色やフォントなど)を使うと、分かりやすくなります。
- つながっているものは仲間: 線や矢印を使って情報の流れを示したり、グリッド(方眼紙のような目に見えない線)に合わせて情報を並べたりすると、情報同士のつながりが見えやすくなります。
揃えられるところは何がなんでも揃える気持ちで。情報がそろっていれば、多少背景やイラストで遊び心を入れても読みづらくありません。
具体的な見せ方の工夫
- 線や枠で囲む: 情報のカテゴリーごとに線で区切ったり、枠で囲んだりすると、それぞれの情報が独立して見やすくなります。
- 背景の色を変える: グループごとに背景の色を変えるのも効果的です。
- 整列させる: 文字や写真の高さを揃えるなど、きっちり並べると、チラシ全体がすっきりして読みやすくなります。
間違ったグルーピングをしてしまうと、チラシが「情報だらけ」に見えてしまい、結局読んでもらえない原因になります。
4. CTAで後押し
チラシの最終目標は、読んだ人に「何か行動してもらうこと」です。そのための「呼びかけ」をCTA (Call To Action) と呼びます。
CTAのメッセージは、「今すぐ特典をGET!」「無料で申し込む」「○月○日までにご予約の方に限定特典」など、具体的で分かりやすい言葉にしましょう。さらに、「期間限定」「残りわずか」といった、少し急かすような言葉を入れると、行動を促しやすくなります。
CTAボタンやQRコードは、目立つ場所に置きましょう。チラシの下の方や真ん中あたりなど、自然と目が行く場所がおすすめです。背景との色をはっきり変えたり、ボタンのように見せたり、矢印やアイコンを付けたりすると、さらに目立ちます。QRコードの近くには「このQRコードをスキャンして詳細をチェック!」といった説明文を添えると、使ってもらえる確率が上がります。
5. 配り方まで考えて、もっと効果的に!
チラシのデザインは、ただ紙に情報を載せるだけでなく、「どうやって配るか」まで考えて作ると、もっと効果が上がります。
- 新聞折込: たくさんの人に配りたい時に便利です。他のチラシに埋もれないように、パッと見て内容が伝わるキャッチコピーが特に重要です。
- 手渡し・街頭配布: 受け取った人が持ち帰りやすいように、チラシのサイズや形を工夫しましょう。笑顔で丁寧に渡すことも大切です。
- イベント・展示会: イベント会場では、目を引く写真や、イベントならではの特典情報を入れたチラシが効果的です。
チラシの紙の「厚さ」や「手触り」も、印象を大きく左右します。高級感を出すなら厚手のしっかりした紙を、たくさん配るならコストを抑えた軽めの紙を選ぶなど、目的に合わせて選びましょう。
6. 成功事例から学んで、もっと良くする!
「反響があったチラシ」には、共通するデザインのコツがあります。それは、「誰のどんな悩みを、どう解決するのか」がはっきりしていることです。
- 目的とターゲットが明確
- 目を引くキャッチコピーと写真
- 情報が分かりやすく整理され、大事な部分が目立つ
- 「行動してほしいこと」が明確で、行動しやすい
- 信頼できる情報(お客様の声や実績など)がある
チラシは一度作って終わりではありません。配ってみて、どれくらいの人がお店に来てくれたか、クーポンを使ってくれたか、などの結果をしっかり見て、次に活かすことが大切です。これを「PDCAサイクル」と呼びます。色々なデザインを試して、一番効果のあるものを見つける「A/Bテスト」もおすすめです。
これらのコツをぜひチラシ作りに役立ててみてください。たくさんのポイントを書きましたが、何度もチラシを作っていると上で書いたことが自然と身に付きデザインに現れてくると思います。
難しいな、面倒だなと感じた場合は画遊で22,000円からチラシデザインを承っております。ぜひご相談ください。
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