視点の違いが面白い!Webデザインと紙のデザインの決定的な違い

弊社では、さまざまな媒体のデザインを行っております。それらを大きく分けると「Webデザイン」と「紙のデザイン(DTPデザイン)」です。
私自身、もともとはDTPデザインをしており、現在はWebデザインを中心に担当しています。今でも時々、印刷物のデザインを手がけることがありますが、自分のデザインが形になって手に取れる嬉しさと同時に、やり直しがきかない一発勝負の緊張感もあります。
反対にWebデザインでは、見た目だけでなく動きやユーザーの行動まで考えなければならないという難しさがあります。同じ「デザイン」でも、媒体が変わると求められるスキルや視点がまったく違うのです。
1. 目的の違い ― 「認知」か「行動」か
紙のデザインは、主にブランドやサービスを印象づける「認知」が目的です。手に取った人にしっかりと印象を残し、信頼感や世界観を伝えることが求められます。
一方、Webデザインは「行動につなげること」が目的。クリック、問い合わせ、購入など、ユーザーを次のステップに導く導線設計が重要になります。つまり、紙は「印象を残す」デザイン、Webは「動かす」デザインです。
2. 表現できる空間の違い ― 「有限」か「無限」か
紙のデザインは、A4やB5といった限られたサイズの中で完結します。そのため、文字や写真の配置、余白のバランスなど、細かなレイアウト設計が重要です。
一方、Webは縦方向にスクロールできる“ほぼ無限のキャンバス”。情報の流れやストーリー性を持たせながら、動きやアニメーションを組み合わせて表現できます。
3. 色と単位の違い ― 「CMYK」か「RGB」か
紙のデザインでは、印刷用のインクであるCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)を使用します。印刷時の発色や紙質によって見え方が変わるため、色校正が欠かせません。
Webはモニター上で光の三原色RGB(レッド・グリーン・ブルー)を使うため、鮮やかな表現が可能ですが、見る環境によって微妙に色味が変化します。また、単位も異なり、紙はmmやdpiといった絶対単位、Webはpxやemなどの相対単位で設計されます。
4. 運用の違い ― 「一発勝負」か「継続改善」か
紙のデザインは印刷したら修正ができない「一発勝負」。そのため、完成度と事前チェックが何よりも重要です。
一方、Webデザインは公開後も修正や更新が可能です。アクセス解析などのデータをもとに、ユーザーの反応を見ながら継続的に改善していくことが前提になります。いわば「育てるデザイン」とも言えます。
5. 体験の違い ― 「静的」か「動的」か
紙のデザインは静的であり、読む・触れるといった五感で感じるデザインです。印刷加工や紙の質感など、手に取った瞬間の印象が体験の一部になります。
Webは、ボタン、アニメーション、スクロールなど、動的でインタラクティブな体験を設計します。「どんな流れで見てもらうか」「どんな動きで理解を助けるか」といった要素も重要です。
6. 見え方の違い ― 「固定」か「変動」か
紙のデザインは印刷すればどこで見ても同じ。Webは、スマートフォン・タブレット・PCなど見る環境によってデザインが変化します。そのため、レスポンシブデザインという考え方で、どの端末でも見やすく設計する必要があります。
7. 更新性とスピード
紙は印刷・配送などの工程を経て完成しますが、Webはボタンひとつで世界中へ発信できます。情報発信のスピードや柔軟性の面では、Webが圧倒的に有利です。
それぞれの良さを活かして
紙のデザインには「質感」「信頼感」「温かみ」があり、Webデザインには「動き」「即時性」「柔軟性」があります。
どちらが優れているという話ではなく、目的に合わせて使い分けることが大切です。たとえば、チラシで興味を持ってもらい、Webサイトで詳細を伝えるなど、それぞれの特徴を組み合わせることで、より効果的な情報発信が可能になります。
同じ「デザイン」でも、媒体が変われば考え方も変わります。しかしどちらも根底にあるのは「人に伝える」という目的。それぞれの違いを理解し、強みを活かすことで、より魅力的なクリエイティブが生まれます。
弊社では、Webサイト制作から印刷物のデザインまで一貫して対応しております。目的に合わせた最適なデザインをご提案いたしますので、デザインや制作に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。
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